証券・為替・商品等の市場価格は一見するとランダム(不規則)に変動してるように見えます。
しかし、詳細に観察するとトレンド変動しております。
そして、トレンド内では不規則変動しております。しかし、このトレンド内の不規則変動も更に、詳しく観察したり、細分するとトレンド変動しております。
つまり、市場価格の変動は年足、週足、日足、時間足、分足(10分足、1分足等)の全てでトレンド変動が観測されます。
そして、各足のトレンドの中では不規則変動しております。
結論として、市場価格は不規則変動も規則変動もしております。
市場価格のトレンドには
(1)に上昇トレンド (2)に下降トレンド (3)にボックストレンド(保ち合い、横ばい)があります。
上昇トレンド、下降トレンドにはトレンドの傾きが緩やか、中間、急激といろいろあります。トレンドの正移動平均線の単位当たり上下変動率(速度)からみると低速トレンド、中速トレンド、高速トレンドでもあります。
この3種類のトレンドの間にも多くの速度の異なるトレンドがあります。
同じトレンドの中でも最初は低速であって途中で中速、最後が高速になるものも多く観察されます。もちろん、これらの順序もいろいろです。
ボックストレンド(保ち合い、横ばい)は字句のとおりに保ち合い、横ばいのトレンドです。
これに傾き(速度)が付けば上昇トレンドまたは下降トレンドになります。
現実の市場で多くの人々が買い売りを行うことにより市場価格が形成されます。買いは需要であり、売りは供給です。
これら市場の背景には市場の構造があります。この市場の構造から発せられる各種の情報、材料、シグナルを伝達されたり、感知した人々は、或いは買いと判断する、または売りと判断して買い売りを実行します。ここに市場価格が成立します。
各種の情報、材料、シグナルの伝達の速度や判断の相違や強弱の差によって市場価格は、大きくも小さくも上へ下へと不規則に変動します。
そして、また次の新しい各種の情報、材料、シグナルが伝達され、次の価格が成立します。
今日の価格、または現在価格は今日の各種の情報、材料、シグナルを瞬時に反映したもの、または急速に反映したものと見られます。
明日の価格は明日の各種の情報、材料、シグナルを瞬時に反映する、または急速に反映するものと見られます。
今日時点においては明日の各種の情報、材料、シグナルは未だ知られておりません。
今日までの市場の構造は成立した価格から解析できます。明日の構造は明日の成立した価格から解析できます
先に説明したとおり、市場価格はトレンド変動します。
市場価格のトレンド構造も、このトレンド解析から知ることができます。
これは3線一致の説明に出ているグラフBです。
グラフBは右端の現時点の所で3線一致しております。3線一致するように移動平均数と標準正規分布表の値zを入力したからです。
かくして、直近から現時点及び近未来の区間で下降トレンドが形成されました。
この移動平均数と標準正規分布表の値zがこの下降トレンドの構造を示しております。
このグラフBの移動平均数と標準正規分布表の値zはグラフ内で全部同じです。
3線一致した所は
(1)にグラフ右端の直近から現時点及び近未来の区間の下降トレンドです。
(2)にグラフ中央から左よりのところです。3線一致の記載があります。
(3)にグラフ左端です。同じく3線一致の記載があります。
この3個のトレンドは上昇、下降の違いはあっても同じトレンド構造をしております。
同じトレンド構造ですから、同じように3線一致もしました。
グラフBの2005年10月前後の上昇トレンド、2003年9月前後の下降トレンド、1999年6月前後の下降トレンドは3線一致しておりません。
従って、この3トレンドは直近から現時点及び近未来の区間のトレンド構造とは異なるトレンド構造であります。
グラフBで異なるトレンド構造であった2005年10月前後の上昇トレンドの構造を求めます。
次のグラフは2007年6月に終わるグラフです。
見事に3線一致しております。
上のグラフにある移動平均数=23を、グラフBの全体に当てはめて見てみます。
標準正規分布表の値zは上のグラフのトレンドで3線一致するように新しく求めました。
下のグラフKです。
ただし、本来はこのような解析は致しません。あくまでも異なるトレンド構造があるということを示すための研究的な解析とグラフです。
本来の解析は直近から現時点及び近未来の区間のトレンドを知ることにあります。
グラフKでは2005年10月前後の上昇トレンドとその前の下降トレンドに3線一致があります。
グラフKでは同じトレンド構造のトレンドが2個あります。
グラフBでは同じトレンド構造のトレンドが3個あります。
あと1999年6月前後の下降トレンドが残ってます。これも3線一致は求められます。
1999年6月前後の下降トレンドも見事に3線一致しました。
そして、このグラフ範囲内では他に3線一致するトレンドはありません。
従って、グラフBの範囲の円相場 月足には3種類のトレンド構造があるということです。
結論として、
3線一致の法則に従って、証券・為替・商品等の市場価格のデータと本日値または現在値で、直近から現時点及び近未来の区間のトレンドを求めます。
直近から現時点及び近未来の区間の3線一致があり、トレンドが求められました。
そのとき、過去データのところにも7本の線が描画されます。
その時、過去データの所は構造が同じであれば3線一致があります。構造が違えば3線一致はありません。
3線一致が全く無い場合もあります。同じような構造が無いというだけです。
3線一致があれば同じような構造があったという参考にはなります。
同じトレンド内で構造が変化する。トレンドの速度が変わるということです。
次のグラフを見てください。
上のグラフは2008年1月に終わる日経平均 月足のグラフです。
直近から現時点及び近未来の区間で3線一致があり、下降トレンドが形成されました。
そして、同じグラフの直前の上昇トレンドでも3線一致しております。
従って、この下降トレンドと上昇トレンドはトレンドの構造が同じであります。
次に下のグラフを見てください。
上の2008年1月に終わる日経平均 月足のグラフから8か月後の2008年9月に終わるグラフです。
この2個のグラフは移動平均数=15で標準正規分布表の値zが2.4と同じです。
そして、直前の上昇トレンドでも3線一致しております。
2008年1月から2008年9月に至る期間の下降トレンドのトレンドの構造は各月とも皆同じです。
直前の上昇トレンドも構造は皆同じです。
この2008年9月にはアメリカのリーマン・ブラザーズが破綻しましたが、月足のトレンドの構造にはまだ影響はないようです。
次は2008年10月に終わるグラフです。
移動平均数=15と同じです。
しかし、標準正規分布表の値zが2.7になって、直前の上昇トレンドも3線一致が少し外れてきました。
リーマン・ブラザーズ破綻の影響が少し出ております。
次は2008年11月に終わるグラフです。
移動平均数=15と同じです。
しかし、標準正規分布表の値zが3.1になって、直前の上昇トレンドも3線一致が外れてきました。
リーマン・ブラザーズ破綻の影響が出てきました。
次は2009年1月に終わるグラフです。
移動平均数=15と同じです。
しかし、標準正規分布表の値zが3.8になって、直前の上昇トレンドも3線一致が大きく外れてきました。
上のグラフではグラフの範囲内で過去に3線一致はありません。
リーマン・ブラザーズが破綻して、100年に1度の大恐慌と言われております。
大恐慌の下降トレンドの構造です。
過去トレンドに3線一致がなく、同じ構造もないのが当然です。
次は2009年3月に終わるグラフです。
移動平均数=15と同じです。
しかし、標準正規分布表の値zが4.7になって、直前の上昇トレンドも3線一致が大きく外れてきました。
以上のように同じ下降トレンドであっても標準正規分布表の値zが異なり、
過去トレンドにあった3線一致が外れるということも起こります。
また、移動平均数も異なるケースもあります。
上昇・下降トレンドには各々トレンドの傾き、つまり速度があります。
速度とは移動平均線の単位当たりの変化率であります。
上昇トレンドならばプラス変化率、下降トレンドならば
マイナス変化率であります。
上昇トレンドならばプラス速度、下降トレンドならば
マイナス速度と同じ意味です。
上述の説明ではトレンドの構造は移動平均数と標準正規分布表の値zが
同じで、3線一致があれば同じトレンド構造であるとしました。
これはトレンドがプラス速度の上昇トレンドであるか、マイナス速度の
下降トレンドであるかで、プラスとマイナスを外した絶対値の速度で
見たものです。
絶対値の速度で見るのも有用であります。
結論として、トレンド構造は移動平均数、標準正規分布表の値z、
プラス速度(変化率)、マイナス速度(変化率)で決定されます。