3線一致の法則


この説明文はプロ用です。

株価グラフ等に7本の線を引く。現時点のところで3線一致が起こる。
同時に2線一致も起こって、トレンドが形成される。
トレンド内に株価が実現する確率も解る。


説明の本文

証券・為替・商品で多く利用される移動平均線は ここでは『前方ずらし移動平均線』と呼ぶ。

データの Data(-6) Data(-5) Data(-4) Data(-3) Data(-2) Data(-1) Data(0) において、 Data0 は現在値または当日値とする。 Data(-1) は前日値  Data(-2) は前々日値である。他も同様である。

ここで上記 7Data の平均値を計算して、現在値 Data(0) に 移動平均値として置くのが『前方ずらし移動平均線』である。
この移動平均値をDataの中心である Data(-3) に置いて 『正移動平均線』と呼ぶ。
同様に この移動平均値を Data(-6) に置いて 『後方ずらし移動平均線』と呼ぶ。
 


グラフAを見よ。

ChartObject Chart 1

グラフAは2009年2月に終わる円相場 月足のグラフである。 月足の終値から移動平均数17で計算した各種移動平均線が 記入されている。

ここで、グラフに記載及び矢印で示したブルーの線が 『前方ずらし移動平均線』である。

同様にピンクの太線が『正移動平均線』である。

同様にグリーンの線が『後方ずらし移動平均線』である。

『前方ずらし移動平均線』と『後方ずらし移動平均線』の区間間隔は 移動平均の数値と同じ17である。

次に、『正移動平均線』から円相場 月足の終値までの差を求める。 この差の分布は左右対称の山形のような正規分布に近似している。

これから標準偏差を計算する。

次に、標準正規分布表から値zを見て、 『正移動平均線』+標準偏差×値z から偏差上限線を求める。

この線は同じグラフAに記載及び矢印で示した細いピンクの線である。 同様にして、『正移動平均線』−標準偏差×値z から偏差下限線を求める。 同様に同じグラフAに記載及び矢印で示した細いピンクの線である。

このグラフAの標準正規分布表の値zは2.1である。標準正規分布表の 値zが2.1の確率は96.43%である。

故に、円相場 月足の終値が偏差上限線、下限線の範囲内にある確率は 96.43%になる。

一方、このグラフAの標準偏差の計算対象データ数は133である。
月足の終値で偏差上限線、下限線の範囲外にあるデータ数は グラフAから4個が認められる。

故に、グラフAから実測される月足の終値が偏差上限線、下限線の範囲内に ある確率は129÷133=0.9699で96.99%になり、上記の96.43%と ほぼ同じである。

上記、値zは求める確率%からも標準正規分布表により求められる。 例えば確率95%ならば標準正規分布表から求める値zは1.96である。

次に、偏差上限線及び偏差下限線と同じ線を移動平均数だけ 前方にずらした時点に、新しい線として作成する。

これを前方ずらし偏差上限線及び前方ずらし偏差下限線と名付ける。 この2線は同じグラフAに記載及び矢印で示した細い黒色の線である。


『3線一致』


次に、移動平均数と標準正規分布表の値zを適当に組み合わせると 同じグラフAに有るように直近から現時点及び近未来の区間で 『3線一致』と呼べる現象が起こる。

この『3線一致』は同じグラフAの右方に記載及び矢印で示したとおり、 偏差上限線と前方ずらし移動平均線と前方ずらし偏差下限線が 一致連続したものである。

また、『3線一致』した線に向き合って、 後方ずらし移動平均線と偏差下限線が2線一致している。

この『3線一致』線と2線一致線は直近から現時点及び近未来の区間で 明らかに下降トレンドを示している。

そして、円相場 月足の実現値は、この両線の間に、つまり下降トレンド線の 範囲内にある。

そして、この『3線一致』線と2線一致線は同じグラフAの中ほどから左の方にも 出現している。同様に『3線一致』と記載及び矢印で示した。
同様に左の方にも『3線一致』が出現している。


次にグラフBをみよ。

ChartObject Chart 1

グラフBはグラフAと同じ円相場 月足のグラフである。

グラフの右端にある偏差上限線の最終時点を(1)からの矢印で示す。
同様に前方ずらし移動平均線の最終時点を(2)からの矢印で示す。
同様に前方ずらし偏差下限線の最終時点を(3)からの矢印で示す。
同様に偏差下限線の最終時点を(4)からの矢印で示す。

次に最終時点(1)から(2)を経て(3)までの線と同じ線を下方にずらして、 最終時点(4)からの新しい線として作成する。

グラフBで最終時点(4)から伸びる細いグリーンの線である。


予測トレンドの形成


これで『3線一致』線がトレンドの上限線になり、 2線一致線+細いグリーンの線がトレンドの下限線になって、 直近から現時点及び近未来の区間の下降トレンドが解る。

そして、このトレンドの上限線及び下限線は偏差上限線と偏差下限線に 一致連続している。

その故に、この下降トレンドの範囲内に実現する円相場 月足の終値の 確率は96.43%と見て良い。

下降トレンドは下降予測であり、通常は売り建てであるので、 月足がトレンド下限線を下に突破して下降しても、下降トレンドが急激化 しただけで、下降予測は不変であり、売り建ては成功している。

反対に、月足がトレンド上限線を上に突破して上昇したときが問題となる。 その故に、円相場 月足の終値がトレンド上限線より下にある確率が 重要である。その確率は標準正規分布表から98.21%になる。

グラフAとグラフBは2009年2月現在の月足であるが、次の3月の終値が 確定入力されたら、新しく移動平均数と標準正規分布表の値zを 入力して新しいグラフを作成する。ただし、通常は前月と殆んど変らない。


グラフCを見よ。


ChartObject Chart 1

このグラフは2007年6月に終わる日経平均 月足のグラフである。

グラフBがグラフ右端で下降トレンドを示したのに対して、 グラフCは上昇トレンドを示す。

右端に『3線一致』の記載と矢印が示すように『3線一致』線があり、 向き合って2線一致線もある。

『3線一致』線は 偏差下限線+前方ずらし移動平均線+前方ずらし偏差上限線 から成る。

2線一致線は後方ずらし移動平均線+偏差上限線から成る。

なお、グラフ左端にほぼ3線一致している所が見られる。向き合った線も ほぼ2線一致している。

次に、グラフBと同様に最終時点(1)から(2)を経て(3)までの線と同じ線を 上方にずらして、最終時点(4)からの新しい線として作成する。

グラフCで最終時点(4)から伸びる細いグリーンの線である。

これで直近から現時点及び近未来の区間の上昇トレンドが解る。

偏差上下限線の範囲内にある日経平均 月足の終値の確率は 標準正規分布表の値zが2.45であるので98.57%である。

このグラフで、偏差上下限線の範囲外の月足の終値は2個あり、 標準偏差の計算対象データ数は131個であるので、 グラフCから実測される月足の終値が偏差上限線、下限線の範囲内 にある確率は129÷131=0.9847で、98.47%になる。

次に、直近から現時点及び近未来の区間の上昇トレンドにおいて、 日経平均 月足の終値がトレンド下限線より上にある 確率は99.28%である。


グラフDを見よ。


ChartObject Chart 1

グラフDは2008年5月に終わる日経平均 月足のグラフである。

グラフA、B、Cではいずれもグラフの右端に『3線一致』線及び2線一致線 が形成されて、上昇、下降トレンドのいずれかが作成された。
グラフDではそれが見られない。

しかし、偏差上限線、前方ずらし移動平均線、前方ずらし偏差下限線の 各々の直近から最終時点を見ると連続はしてないが 3線が同じ方向を向いて、直線上に並びそうである。

一方、グラフ中ほどにはほぼ3線一致している所が見られる。向き合った線も ほぼ2線一致している。


グラフEを見よ。


ChartObject Chart 1

このグラフはグラフDと同じである。

偏差上限線の最終時点(1)と前方ずらし偏差下限線の最終時点(3)を 直線で結んで、細いグリーンの線を作る。

これはグラフで見るとおり『3線一致』線に極めて似ており、 『3線一致』線、そのものである。

次に、後方ずらし移動平均線の最終時点(4)と偏差下限線の最終時点(5) を直線で結んで(3)時点と同じ時点の(6)時点まで延長する。 これは2線一致線である。

かくして、直近から現時点及び近未来の区間の下降トレンドが作成される。

グラフEの偏差上下限線の範囲内にある日経平均 月足の終値の確率は 標準正規分布表の値zが2.7であるので99.3%である。

このグラフで、標準偏差の計算対象データ数は64個であり、 偏差上下限線の範囲外にある月足の終値は0個である。

次に、直近から現時点及び近未来の区間の下降トレンドにおいて、 日経平均 月足の終値がトレンド上限線より下にある 確率は99.65%である。


グラフFを見よ。


ChartObject Chart 1

グラフFは2008年8月25日に終わる日経平均 日足のグラフである。

このグラフではグラフ右端に『3線一致』と記載及び矢印で示しているように 後方ずらし移動平均線と正移動平均線と前方ずらし移動平均線が 『3線一致』して、一直線上に並んでいる。

偏差上限線と前方ずらし偏差上限線及び 偏差下限線と前方ずらし偏差下限線も直線で結べは一直線で 2線一致しそうである。


グラフGを見よ。


ChartObject Chart 1

このグラフはグラフFと同じである。

偏差上限線の最終時点(1)と前方ずらし偏差上限線の最終時点(2)を 直線で結んで、細いグリーンの線を作る。

2線一致して、一直線上に並んでいる。

同様に偏差下限線の最終時点(3)と前方ずらし偏差下限線の 最終時点(4)を直線で結んで、細いグリーンの線を作る。

これも2線一致して、一直線上に並んでいる。

かくして、直近から現時点及び近未来の区間の ボックストレンド(保ち合い、横ばい)が形成される。

このグラフでは当初に述べた7本の線が全てトレンド形成に作用した。

グラフGの偏差上下限線の範囲内にある日経平均 日足の終値の確率は 標準正規分布表の値zが2.4であるので98.36%である。

このグラフで、標準偏差の計算対象データ数は59個であり、 偏差上下限線の範囲外にある日足の終値は0個である。



以上は証券・為替・商品を含む全ての市場データの年足、月足、半月足、 日足、時間足、分足(30分足、10分足、5分足、1分足等)にも同様に 適用される。

上記のグラフは始値、高値、安値、終値の有るローソク足であるが、 高値、安値、終値のみの足、または高値、安値のみの足、 または終値のみの足、等にも同様に適用される。

以上の各グラフの各種移動平均線は対数で求めているが、 自然数で求めてもほぼ同様である。

また、終値で求めているが始値、中値等で求めてもほぼ同様である。

次に、偏差上下限線は各グラフとも自然数で求めているが、 対数で求めてもほぼ同様である。

対数で計算したものは自然数に変換してグラフ化する。

移動平均数は奇数のみである。

グラフの各々の色または線分は何色を使用しても、または線幅の大小にも 関係なく、効果は同様である。



以上の各グラフの計算方法、各グラフ、各グラフ化の方法等と説明文の 著作権、知的財産権は『山田 益弘』が有する。



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